大学で学んだ文学の読み方の
ある講義で、文学についての読み方を学んだ。その講義は、主には創作についての講義であるが、その時は読み方についての講義であった。
講義スタイルの話に少し脱線しようと思う。ガチガチにレジュメに沿った計画的で秩序だった講義は、個人的には好かない。教授の思うままに、雑談風に話を進めていく講義スタイルが本当に好きである。教授の思考のプロセスや話の広がり方、興味の対象など、教授の人間性が見え隠れするのが好きということなのかもしれない。遠い存在に感じる教授を身近に感じられることが大きいかもしれない。
さて、文学の読み方について学んだことを書いてみたいと思う。その教授は、良い作品というのは、複数の解釈を持ち、多義性に富めば富むほど素晴らしい作品であると言っていた。私自身、少し小説らしきものを執筆しようとしたことがあるが、多義的なストーリーを仕上げるのは非常に難しい。物語の裏にメッセージを乗せることの難しさは実感している。多義的なストーリーを書くためには文単位での多義性を含意しなければならないとも言っていた。
結論として、文学の読み方とは、多義性の研究と、その多義性を解明していくことに面白さがあると言っていた。
補足として、多義的な文章、名文を書くためのトレーニング方法として、名文を読み、名文を書き写すことを上げていた。名文家とは誰なのかを定義する中で挙げられたのが、川端康成、三島由紀夫、森鴎外、谷崎潤一郎であった。
文学作品を読んだときの解釈についてもこのブログで書いていけたらいいなとも思う。